初秋は黒を纏う
窓の外には、まだ夏のような陽射し。けれど朝晩は肌寒くさえある。耳を澄ませば秋虫の声、午後の影はいつの間にか長くなっている。
日暮れも早くなって夜はさらに長くなった。
季節は大げさな合図など送らずに、静かに次の季節へと移り住む。
そんな初秋の食卓には暑い季節をしなやかに乗り越えてきた自分への、少し贅沢なひと皿を。
瑞々しく熟れた桃に、生ハムと香草をたっぷり。甘さ、塩気、ほのかな苦味と香りを重ねて、漆黒の器の上に、初秋の色を大胆に盛る。
傍らには、個性の違うチーズをいくつか。赤ワインはそろそろ部屋と同じ温度で。艶やかな黒の器は、桃の淡い色も、葉の緑も鮮やかに受け止め、いつもの食卓を、少しだけ特別な景色に変えてくれます。
暑さに疲れた身体だからこそ、美しいものを眺め、美味しいものを味わい、きちんと自分を満たして褒めてあげる。
頑張ったワタシ、えらいっ!