

漆器屋さんのつぶやき
心に残る、心に響く、ささやかだけど彩りのあるできごとを徒然なるままに•••
April 24, 2025 · 上村松園,理想像,美人画,女性の美,着物静謐な美しさの中に凛とした強さを感じさせる女性たちに会いたくて、大阪中之島美術館を訪れました。 生誕150年記念、上村松園展《求めたのは理想像》 「美しいものだけでなく、醜いものでも下賤なものでも、それを露骨に顕さず格調を持って表現している芸術は能の他にはない。画もそうでなくてはならない」 狂気をよびこむほどの感情さえ美しく表現してしまう、懐の深さと強さを併せ持つ日本画家、それが上村松園です。 彼女が描いた女性たちは、美しい衣装を身にまといながらも憂いを帯び、あるいは眦をあげ、さらにはすべてを包み込んで前を向く強さを秘めています。 かくありたいものだと、うっとり眺めておりました...April 13, 2025 · サモエド,モフモフ,心地よい感触,うっとり,安らぎ三寒四温のときはすぎて、いまが盛りと桜が咲き誇り、花散らしの雨が降る。 桜散る、梅はこぼれる椿落つ、牡丹崩れる人は逝く そのように輪廻していくのだと、窓の外を眺めながら思います。 この雨がとおりすぎたら、もう寒い日は当分の間やってこない。 そう思ってダウンコートやセーター、極暖のタートルネックなどを片付けて 薄手のものをだしました。 かつては暖かくなってくるとガラスの器の出番が増えて、漆器は戸棚の奥深くにしまわれていました。 けれどここ数年、あたたかい季節、暑い季節にも出番が増えてきましたね。 暑いときには冷たいものを欲しがるものです。 その冷たいものを冷たいままに保って...March 1, 2025 · 寿命,老後,余生,エンディングノート,おばあちゃんと孫平均寿命が伸びて「人生100年時代」なのだという。 だから年金受給開始は遅いほうがよいとか、年金でまかないきれない分の貯金が必要だとか、高齢でも入れる保険のCMとか、あれこれとかまびすしい。 私の母は60代でこの世を去った。 冷たくなった母の身体を綿で拭いながら、平均寿命なんてものはなんの保証もないただの数字なのだと実感した。 あわただしく一連の葬儀を終え、連日の疲れも癒えないまま妹と私は二人で母の遺品整理をはじめた。 床から天井まであるクローゼットの扉を開くと、中にはタグがついたままの衣類や箱に入ったままの靴、旅行カバンが山のように残されていた。 彼女は死ぬなんて思っていなかった。...他の投稿
© 2019
規約と条件
プライバシーポリシー