• 漆器屋さんのつぶやき

    心に残る、心に響く、ささやかだけど彩りのあるできごとを徒然なるままに•••

    April 13, 2025 · サモエド,モフモフ,心地よい感触,うっとり,安らぎ
    三寒四温のときはすぎて、いまが盛りと桜が咲き誇り、花散らしの雨が降る。 桜散る、梅はこぼれる椿落つ、牡丹崩れる人は逝く そのように輪廻していくのだと、窓の外を眺めながら思います。 この雨がとおりすぎたら、もう寒い日は当分の間やってこない。 そう思ってダウンコートやセーター、極暖のタートルネックなどを片付けて 薄手のものをだしました。 かつては暖かくなってくるとガラスの器の出番が増えて、漆器は戸棚の奥深くにしまわれていました。 けれどここ数年、あたたかい季節、暑い季節にも出番が増えてきましたね。 暑いときには冷たいものを欲しがるものです。 その冷たいものを冷たいままに保ってくれ...
    March 1, 2025 · 寿命,老後,余生,エンディングノート,おばあちゃんと孫
    平均寿命が伸びて「人生100年時代」なのだという。 だから年金受給開始は遅いほうがよいとか、年金でまかないきれない分の貯金が必要だとか、高齢でも入れる保険のCMとか、あれこれとかまびすしい。 私の母は60代でこの世を去った。 冷たくなった母の身体を綿で拭いながら、平均寿命なんてものはなんの保証もないただの数字なのだと実感した。 あわただしく一連の葬儀を終え、連日の疲れも癒えないまま妹と私は二人で母の遺品整理をはじめた。 床から天井まであるクローゼットの扉を開くと、中にはタグがついたままの衣類や箱に入ったままの靴、旅行カバンが山のように残されていた。 彼女は死ぬなんて思っていなかった。...
    January 18, 2025 · せつない,いじらし,会いたい,愛されたい
    ほんの数行の短い文章と、色鉛筆やクレヨンで描かれた温かく柔らかい絵に これほど泣かされるとは思ってもみなかった。 「もうじきたべられるぼく」 絵本で泣くのは2度目だ。 最初は子どもたちがまだ小さかった頃、子守唄がわりに読んだ絵本のなかにあった 「100万回いきたねこ」 胸の奥がポっと火が灯ったような感じがして涙腺がゆるんだ。 あぁ、良かったね。 そんな言葉が浮かんだ気がした。 「もうじきたべられるぼく」 これはもう、話の途中から溢れた涙はポロポロと止まらず、 本をとじてから号泣した。 いろんな感情がないまぜになり、整理がつかない。 おか...
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