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梅仕事の季節が訪れた。
店頭にはまず青い梅が並び、少し遅れてやや熟した黄色い実が現れる。
昨年までは透き通った氷砂糖をつかって梅シロップを作っていたが、
今年はキビ糖をつかってみることにした。
なんだかちょっぴり健康的な響きが良さげな気がしていた。
実際、キビ糖で梅シロップを作るレシピもネットにあがっていたしね。
2〜3日たつとキビ糖がとけて梅のエキスがあがってきた。
いつもの透き通った美しさはないものの、濃い琥珀色にはちょっとした迫力を感じた。
いつもならこのまま放置なのだけれど、今年はさらに「追梅」を試みた。
某メーカーのサイトで追梅をして更に風味をましている、というような記述を見たからだ。
キビ糖が溶けたことでできた瓶の上部の隙間にびっしり新しい梅を押し込んだ。
アタマの中には、数週間後に手にするであろう香り高い梅シロップを炭酸で割ってお風呂上がりにグビグビ飲み干す自分の姿があった。
それからは何日たっても瓶の上部に隙間はできなかった。
それどころか、増えてる?
あとから詰め込んだ梅は干からびる気配があまりない。
瓶からあふれたら大変、とばかりにお味見をかねてスプーンですってはグラスに移す。
ちょっと早いけど炭酸で濃いめに割って飲んでみた。
そこには、ちょっぴり甘くてめっちゃくちゃ酸っぱい梅酢ができていた。
梅の酸味を侮ってはいけない。
理想と現実の間で酸っぱさが体中に巡っている。
この夏、我が家では梅風味ドレッシングのサラダが流行する予感がした。