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あれはちょうど、今頃の季節。
家庭訪問で息子の担任の先生が我が家にやってきた。
「勉強部屋を拝見します」
そう言って、先生は息子の部屋をぐるりと見回すと、
「あの引き出しはマンガですね。こっちのも。ざっと100冊といったところでしょうか。」
うそ・・・大当たりだ。
すごすぎる、この千里眼まがいの特殊能力。
「受験期でしたから、ドラゴン桜やらスラムダンクやら・・・その、あの・・」
まったく言い訳にもなっていない。
でもね、そこにあるのは私が愛する息子のために厳選した名作ばかりだ。
息子達は揃って言う。
「オレ達はヲタクの英才教育を受けている」
そんな・・・ホントのことをズバリと言ってくれて
お母さんは嬉しいよ。
絵本、童話、小説、マンガ、図鑑、ライトノベル、教科書、ここらへんは全部同じだ。
活字に貴賎はない、と思っている。
なによりマンガは人生語るし、勇気もくれるし、助けられることだってある。
「最後まで・・・希望を捨てちゃいかん。あきらめたらそこで試合終了ですよ」
安西先生がそう言うから、もう少し頑張ってみようと思う。
「あまり強い言葉を遣うなよ、弱く見えるぞ」
藍染惣右介がそう言うから、言葉は選ぼうって思う。
HUNTER×HUNTER とか、NARUTOとか、BLEACHとか、
ツッコミどころも多々あるけれど、それすらも愛おしい名作の数々。
そうえば・・・
「君の名は。」
ウルウルしながら見ていた、いい感じのクライマックスで、
「おまえが世界のどこにいても、必ずもう一度会いに行く」
・・・・・え?ウソ、一度だけ?
純真なココロを失うと欲張りになるらしい・・・