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神戸某所では月に1度、魔女のサバト•••宴が開かれている。
国籍も職業もキャラも様々。年齢不詳、経歴不問。あえて言うなら
『違いのわかるオンナ』
それは味だったり音だったり、色、言葉、書画骨董、歴史、人物、文学、芸能••••
ありとあらゆる話題が持ち上がる。
古今東西、政治・経済、宇宙科学に脳科学、能楽、歌舞伎、絵画に音楽と、キリがない。
そして、宴というからにはお料理。
旬の素材を生かした美しいお料理は、もう何年も同じものが出たことはない。
もっとも、あまりの美味しさに「アレをぜひもう一度!」と請われれば快く応じてくれる。
季節感あふれるテーブルコーディネートで供されるお料理は、「外食する気がなくなる」と言わせるほどのクオリティを誇る。
泡の飲み物で乾杯し、スープ、オードブル、サラダ、チーズ、メイン、そしてデザート。
完璧なフルコースだ。
それぞれのお料理に合わせたワイン選びも秀逸で、いまだかつて外したことがない。
何が素晴らしいって、魔女たちの美容と健康に配慮した内容であること。
美味しいものへの飽くなき追求はあるものの、塩分控えめ、コクはあっても重くなく、お野菜タップリで香りも豊か、そして甘すぎないのに満足感ハンパないスイーツ。
どこからともなく洩れるため息と「はぁぁ•••幸せ」という声。
どうも満足感や多幸感というのは伝染するらしい。
人数分増幅された幸せオーラがそこかしこへと膨張していく。
美味しいお料理とワインで盛り上がれば、おしゃべりは尽きることがない。
もはや女三人よればカシマシイ、なんてレベルじゃない。
魔女たちはこの宴で取り入れた栄養と情報で、さらに磨きをかけて飛び回るのだ。
しあわせは、たべるとしゃべるでできている。