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大切なものを失わないためは•••

· おかたづけ,子供部屋,収納,失う,成長

ウチには非常勤のスタッフがいる。

春風みたいな、ふんわり癒し系の女子。

最近、彼女の才能が発揮されてとても助かっている。

無分別に散らかっている場所を嗅ぎつけ、見たこともないグッズを駆使してキレイに収納する。

使う頻度、順番、製造年月日、種類、色など適切な分類で収める技は、もはや天性のモノ。

私が丸1日かかってもできないことを

彼女は2時間足らずであっさり終わらせる。

彼女がクンクンと鼻を効かせて、次に片付けるところを探している様子に

狂喜乱舞している。

私は、いわゆる「お片付け」が苦手だ。

2人の男の子のママだったから

よもや自分が、お片付け苦手人間だとは思いもよらなかった。

目の前には、想像を絶する散らかし屋がいたからね。

平日の午後ともなると、

玄関には上下左右バラバラのシューズが、

上がり框には教科書がハミ出たランドセルが、

リビングには丸まった靴下が、

その先には輪っかが2つ並んだズボンが、

時系列で散らばっていた。

ヘンゼルとグレーテルのように、

足跡をたどりながらそれらを拾って、

あるものは子供部屋へ、あるものは洗濯機へと移動させる。

彼らはプラレールやレゴが好きだったから、

リビングや子ども部屋は、当然のように足の踏み場がなくなる。

プラレールは踏んでも脱線事故を引き起こす程度ですむけれど、レゴを踏むと、痛い。

ハンパなく痛いのだ。

そんなわけで、ママは自衛手段としてスリッパを装備することとなる。

そして、

ゴハンの時間。

毎日のように繰り返される

「早く片付けなさい」コール。

オトコという生き物は、老いも若きも幼きも

都合の悪いことは聞こえないらしい。

虚しく響くお片付けコールが繰り返された後、

ママのスリッパはブルドーザーと化して、

四方八方からガラガラとプラスチック製のパーツを押し集めたのち、

それらはおもちゃ箱と言う名のカオスな空間に放り込まれる。

さっきまでの混沌とした状態から、ウソのようにスッキリ広々した空間が現れると

してやったりのニンマリした気分になる。

そもそも、それが勘違いの始まりだった。

なんのことはない、右のものを左に動かしただけなのだ。

そんな大雑把なママは、

落ちているもの、ほったらかしにされているものはゴミだと認識して捨ててしまう。

小さいものは掃除機で吸い込み、それ以外はそのままゴミ袋へ直行する。

そんな環境から彼らが学んだのは

「大切なものはしまっておかないと捨てられてしまう」

と、いうこと。

 

捨てられたくない大切なものが増えるほどに、彼らのお片付けスキルはあがっていった。

 

引き出しの中には、キッチリと整理された

ゲーム機とゲームソフトの数々。

本棚には全巻そろった漫画の数々。

 

見事である。

 

成長したね、と息子たちを見ながら

成長できなかったママは思う。