むかしむかし、皇位継承から遠い立場だった皇子が越前の国に住んでおりました。
愛する女性と平穏無事に暮らしていたのですが、
ある日突然、手紙と花籠を残して都へ行ってしまいました。
皇位を継承することになったからです。
彼女も一緒に都へ行けばいいじゃないのとのご意見、ごもっともです。
しかし、前の天皇の姉(妹?)との政略結婚が決まっていたので
それもかなわず。
どうにか即位した後、紅葉狩りに出かけた元皇子のところに花籠を持った女が現れます。
ご想像の通り、おいてけぼりにされたその人。
いろいろあったけど、ハッピーエンドとなり
めでたし、めでたし、というのが能楽の「花筐」(はながたみ)。
この皇子のモデルが継体天皇です。
彼が越前にいた時、土地のものに冠の修理を命じました。
塗師は漆で冠を修理し、さらに黒塗りの椀を献上したところ、
そのあまりの美しさに皇子はいたく感動して、漆器づくりを奨励した
というのが、越前漆器初めて物語と言われています。
黒岩重吾氏の「北風に起つ 継体戦争と蘇我稲目」では、
継体天皇は頭脳派として描かれています。
一方の蘇我稲目は、歴史の教科書にも出てくる蘇我馬子のパパであり、
推古天皇のおじいちゃんでもあり、デキる男のイメージ強いですね。
継体天皇は、漆器をはじめ
稲作、養蚕、採石、製紙など様々な産業をおこしたと言われ、
福井市内の足羽山に石像があります。
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